自営業の奥様へ⑤〜裏切り〜

ポスティングのイメージ写真

飲食業の妻、増田です。

「なぜ」から「どうしたら」に発想を変えたとき、物事がうまくいくことがありませんか?静岡県に縁もゆかりもない私たちが静岡に移住して、10年になりました。もともと遠距離恋愛だった私たち。結婚を考えたときに、2人がそれぞれ住んでいた真ん中あたりがちょうどいいかも?というノリで、「静岡」で暮らすことを選びました(若気の至りです…)。住んでみると、文化の違いもあり、働く上でも色々な葛藤があり…当初は「なぜ受け容れてもらえないのか」と、思い悩んだ時期もありました。あるときふと「どうしたら受け容れてもらえるのか」と、思いを巡らせてみたら、行動が変わっていき、色々なことが好転しはじめました。発想の転換て、大事ですね。

さて、前回の続きです。


販促費をかけるお金がなかった私は、経験と情報、そして“魂”を込めて、世界に1つしかない「手描きチラシ」を作りました。配布をアウトソースすると、これまたお金がかかるので、仕込みの間や、店を閉めたあとに、夫が一軒一軒回って、ポスティングをしました。毎日100軒以上配布していたと思います。私はもう赤ちゃんがいつ産まれてもおかしくない状態だったので、毎日ポスティングが終わって、夜中の2時くらいに帰ってくる夫に、ご飯を作ることしかできませんでした。

これまで、内装をアレンジしたり、メニューを変えたり、ショップカードを作ったり、ツイッターを始めたり、ホームページを使ったり…なんやかやと、思いつくままに、人に勧められるがままに、自分の意志ではなく、人に完全にお任せして、やってきました。そして、「これだ!」という確信がもてる結果に、結びつきませんでした。「手描きチラシ」は、私と夫が、初めて「意志」をもって作った販促ツール。これがダメだったら、産まれてくる子のためにも、違う道を選んだほうが良いかも…と、正直思いました。どんなときも明るい私たちが、どんよりとしていた時期でした。

今回もダメかもしれない…ところが、手描きチラシを配布し始めて数日後、じわじわと電話が鳴り始めました。それは「チラシ見ました!」というご予約の電話でした。しかも、夫が買出しをしていると、「あのチラシの方ですよね?」と、見ず知らずの方に声をかけられることもあったそうです。日に日に、お客様が増えていき、20席が予約で埋まる日が出始めました。私たちの不安とは裏腹に、うれしい裏切りでした!ランチは圧倒的に近所の主婦さんが多かったのですが、「近くにこんなお店があるなんて、知らなかった!」と、仰っている方が多かったそうです。オープンから3ヵ月も経って、ご近所なのに存在すら知られていなかったのは、寂しいことですが…私たちが知らせてこなかった=広告してこなかったことが証明された一言でした。

“根拠”のある「手描きチラシ」が、これだけ効果を発揮することを知り、販促の虜になった私たち。しかし、今度は夫が、私に不信感を募らせる“驚きの行動”を始めました。

続きは、⑥にて…


先日、「ふじのくに食の都づくり料理人」として、夫が静岡県から表彰されました。静岡県民ではなかった私たちが、静岡県民として受け容れていただけた気がします。『Bon Masuda』をいつも応援してくださるお客様、食材、お酒、厨房機器などを提供してくださるお取引先の方々、そして、チーム増田の皆さん、皆様のおかげで、いまの私たちがあります。いつもありがとうございます!!これからも精進いたします。