やめる

成長のイメージ写真

飲食業の妻、増田です。

あなたは、ご主人が「新しいことをやりたい!」と言ったとき、どう反応しますか?「怖いからやめて!」と、止めますか?「楽しそう!頑張れ!」と、背中を押しますか?ご家庭の事情もあるので、どちらが正解とは言えませんが、あなたのエゴや感情で、ストップをかけていたら、それはもったいないことだと思います。以前の私は、自分の知らない新しいことを、夫が始めるのを賛成できませんでした。ですが、夫が何を成し遂げたいかを改めて聞いたときに、自分の器の小ささを思い知らされ、「全力で応援していきたい!」と思うようになれました。近くにいても知らないことはたくさんあります。きちんと想いを聴き、共有すること、とても大切です。

それでは、前回の続きです。


夫は、やる気満々でセミナーに参加しました。正直、目に見える結果はすぐには現れませんでした。ただ、毎回行くたびに、「異業種の知り合いができた」と嬉しそうに言ってました。夫は静岡に来てから、ずっと厨房にこもってました。だから、職場の人以外で、友人はおろか、知人と呼べる存在すらほぼいませんでした。もともと、人懐っこい性格なのに、人と話す機会がほとんどなかったのは、なんとも苦痛だっただろう…と思います。厨房の外に出ること、新しい空気を吸うこと、知り合いをつくること、家族以外と話すこと、それは、夫の精神衛生上、必要な機会でした。なので、セミナーに参加したことは、「間違いではなかった」のです。

さて、肝心のセミナーの目的ですが、“コピーライティング=反響の出る文章の書き方”について学ぶことでした。夫はメルマガを配信していたのですが、大きな売上につながっていませんでした。正直、メルマガのシステムの使用料を考えたら、やってる意味がないばかりか、マイナスでした。なぜなら、メルマガを始めた頃は、書くネタも書き方もよくわからず、「食材入荷しました」「雨の日サービス」のような内容ばかりでした。もともと、文章を書くのが好きだった夫は、自分の得意分野を活かして、なんとしてでも売上を上げたかったのだと思います。セミナーに行くようになり、夫の読む本や、私との話題が、だんだん変わってきました。当初は、“誰に”対して、“何を”伝えるか、を無視した、ただ自分の言いたいことを書く。そんな内容でした。勉強し、アドバイスをもらい、「文章を書く」ことを重ねるうちに、“ターゲット(お客様)の顔が見える”文章になっていきました。

忙しくなりつつある中、時間をとって、しっかり書くことは、並大抵の努力ではできませんが、億劫だったメルマガ配信が、夫にとって、“大変だけど楽しいワーク”になっていくのがわかりました。そして、「メルマガを読んだわよ」と、笑いながら電話してこられるお客様もいらっしゃるようになったと聞きました。お客様がお友達に、「ここのメルマガ、面白いわよ!」と勧めてくださる姿も見られたそうです。帰ってきてから、夫がイキイキと、その日の出来事を話すのを見ると、私も嬉しかったです。最初は、1日の客数が2桁にいくことすら、遠い遠い目標でした。しかし、素直にアドバイスを受け入れ、素直に愚直に実践した結果、半年で売上がオープン時の“6倍”になったのです。

人をしっかり見極めて、信じてついていくこと。

仕事でもプライベートでも大切だと、身に沁みました。そして、「止めることをやめてよかった」と思いました。さて、店が軌道に乗り始めた頃、サービス業のご家庭には、よくある“問題”が出てきました。

続きは次回⑧で…


「金は出しても、口出すな」という名言があります。身内がやる気を喪失させる“ストッパー”にならないように、気をつけたいです。