自営業の奥様へ④〜アナログでもできること〜

似顔絵のイメージ写真

飲食業の妻、増田です。

「あなたの長所は何ですか?」──こう質問すると、考え込んでしまう方が多いです。逆に、短所を聞くと、スラスラと出てきてしまいます。「いや、もっといいところがたくさんありますよ」と思うのですが、「自分のことは自分が一番知らない」わけです(謙遜している場合もありますが)。自分の店に関してもそうです。オープン時は、意気揚々といきますが、うまくいかなくなってくると、自分の店(スキル)のどこが良いのか、どこに価値があるのか、ウリがわからなくなってしまいます。だから、軸がブレてしまう。

私の思う「妻が販促を手伝うメリット」は、身内でありながら、他人の目線も持てること。スタッフだとなかなか言えないことも、妻は、他人の目線でズバッと言うこともできます。ただ、そこに“根拠”がないと「説教」や「愚痴」に聞こえてしまい、「素人が口出すな!!」となり、夫婦の間に溝ができてしまいます。男としてのプライドも立てながら、“根拠”のあるアドバイスをするべきです。頭の良い奥様はご存知のことですよね。


それでは、前回からの続きです…

手描きでチラシを作ることを決めた私。ネットで「手描きチラシ」の画像検索をしていて、あることを思い出しました。「アイキャッチだ!」──私は大手広告会社に勤めていました。数年前に担当していたA社は、とても広告の勉強をされているTさんという方が採用担当でした。Tさんは、掲載した全ての自社広告をスクラップされていて、効果の良し悪しをご自身でまとめられているほど熱心な方でした。Tさんがよく仰っていたのは、「アイキャッチ」という言葉でした。Tさんのいう「アイキャッチ」とは、効果が良い広告は「目が合う」ものだと。広告業界でいう「アイキャッチ」の意味とは少し異なりますが、確かに、人物写真で視線がまっすぐのものは、自ずと目が止まります。

Tさんが細かく結果を書き込んだスクラップを拝見していると、それは確信できる“根拠”でした。チラシを利用するのであれば、毎日無雑作にポストに投函されたチラシの中で、ハッと、目が止まる(留まる)ものでなくてはならない。そして、手に取り、内容を読み、捨てずに冷蔵庫に貼っておいてもらいたい。そのために、まず私がチラシにまずデカデカと描いたのは、“夫の似顔絵”でした(この似顔絵、一筆書きのようですが、旦那にそっくりなんです…)。あとは、手に取った人が知りたい情報を、わかりやすく伝えること。これは、多くの広告に言えることですが、自分が言いたいことを一方的に書いている…そんな広告が多いんです。だから「私には関係ない」と捨てられてしまいます。

“「誰に」「何を」伝えるか”

広告は、「ラブレター」です。チラシを手に取る主婦さんが、見るor見ない→取っとくor捨てる──と、瞬時に判断するそのときに、心を揺さぶるものであるチラシにするため、A4という紙の中に「アイキャッチ」をはじめ、これまで現場で学んだ広告理論を散りばめました。チラシをフォトショやイラレで綺麗に作れる方にとっては、「手描きチラシ〜?!」と、鼻で笑ってしまうかもしれません。例え笑われたとしても、お金がない中で、魂を込めて作った「手描きチラシ」。カラーコピーはお金がかかるから、モノクロでコピー。このご時世で、時代遅れかもしれないけれど、夫は私を信じて、夜な夜な一軒一軒配布して回りました。

さて、結果はいかに…?⑤へ続く…