自営業の奥様へ⑥〜怪しい〜

飲食業の妻、増田です。
私は、本心を言えない人間でした。小さいとき、可愛いフリフリスカートが欲しかったのに、大人っぽいほうを買ってもらいました。中学のとき、バスケ部に入りたかったのに、気づいたらテニス部に入ってました。本心を言わないほうが、周りが丸くなり、幸せになる。そう思いました。社会人になって、初めて自分を見直す機会がありました。そつなくこなせると思っていた自分は、単にブレーキを踏み続けている人間でした。
“嫌われることを恐れずに、本心を貫くこと”
“本当にやりたいことを、「やりたい」と主張すること”
そんな当たり前のことに気づいたのは、我を忘れて、仕事に夢中になれたときだと思います。それでは、前回の続きです。
私は前職で、マーケティングや広告理論など、少なからず勉強をしてきました。一方、夫はマーケティングなどについては、勉強する機会がこれまでありませんでした。これまで夫が勤めていた職場では、販促のことは全てオーナーに任せていたからです。だから、店長職と言ってもスタッフに指示を出し、料理を作り、気持ち良い接客をし、集計と発注をする。それができればOKでした。けれど、それだけでは「経営」を持続できないことに、夫は気づきました。
「手描きチラシ」は、売上をV字回復させるほどの破壊力があった。新規集客の柱が1つでき、さらにもう1つ柱を作っておきたい。メルマガも配信してますが、イマイチな結果です。夫は決意し、休日にあるセミナーへ参加していました。それは…「コピーライティング」のセミナーでした。夫は、家に帰ってくるなり、セミナーの内容や、セミナーの先生がどんなにすごい人か、を私に熱く語り始めました。
ですが…「セミナー」という響きがまず怪しいし、、、高額なものを売りつけられるアレでしょ?私には、「純粋な夫が騙されてる…」としか思えませんでした。てか、「私だってそのぐらいのこと知ってるし!」と、“不信感”と“怒り”がこみ上げてきたのを覚えています。そして、「長続きしないだろう」と、右から左に流して聞いてました。
しかし、数日後ーーー
夫は、その先生のセミナーに、また参加すると言い出したのです。しかも、前回は無料だったけど、、、今回は結構な額のセミナー代(当時のうちにとっては)!!夫は、財布の紐を握っていた私に、「どうしても行きたいから、貸してほしい」と、頼みこんできました。
“どうする私………?”
“もしかしたら、騙されてるかも?”
「・・・・」
夫は、結婚してから私に自分が欲しいものを、言ったことはありませんでした。自分のものもほとんど買わない人です。厨房にずっとこもってました。だから「たまには好きなことにお金を使わせてあげたい」「外の空気も吸ってほしい」──そんな風に思いました。何より、水を得た魚のように、夫の目がイキイキしていたのです。おかしいと思ったら、退散すればいい。命まで取られないし…えーーい!「しっかり勉強して、また教えて!」と、背中を押すことにしました。
さて、私の決断は、正解だったのか?間違っていたのか?次回⑦に続く…
仕事に無我夢中になると、些細な悩みがどうでもよくなります。また稼げばよいので!